• 5月9日

    午前4時30分

    220×197cmの紙に描かれたのは、正面向きの女の子。
    “ Punch me harder 2000 ”と、絵の下に書く。

    望まれることを望んじゃいけない。でも時として弱い自分がいる。
    どんなに悩んでも、いつもアベレージを越えられない。
    それで満足する、いや!満足なんてしてない。悔しい自分がいる。
    どんなに悔しくても、それが今の自分。それでいいのかと悩む。
    でも、描き直したくはない。

    いっつも高望みが自分を苦しめる。
    肉体の疲労で、なんとなくやった気になる。
    だがしかし!これが自分だ。こんなもんだ。
    精一杯やってこんなもんだ。高望みする必要があるか?そりゃ見栄でしかない。
    見栄っぱりにはなりたかない。これが自分だ。それでいい。そうじゃないか?

    “ Punch me harder ”いいじゃんか。それが今の気持ちだ。
    もっと、もっと落ち込んで、そして這い上がれたら、こんな気持ち良いことはない。

    みんな見てるのか?(きっと見てるよ、空の上で)
    それに負けちゃいけない!(負けるもんかい!)

    誰も見てなくたって、俺はやる。
    あの三ヶ峯の下宿で、汗かきながら描いてた頃を忘れるな!
    赤い軽自動車に乗って、あの娘はやってくるかもしれないし、明日が講評会かもしれない。
    猫達に気持ちよく餌をやらなけりゃいけないかもしれない。

    あの娘はもういないし、猫達もいなくなっちゃったな・・・

    でもな!せめて天国のあの娘たちには届くように、もう1枚!
    一寸先は闇なのか?そりゃそうだよな。でも、もう1枚!

    自分を越えられない自分が悔しくて、みんなの手紙を読み返し、涙する。
    でも、この命ある限りはとにかくやるんだ。負けない。弱い自分に負けない!

    It’s ain’t always easy, but I will try and try to do, again and again !

    のほほんと生きるのは簡単なこと。でも、そんなふうには生きたかない。
    苦しむのはちゃんと生きてる証拠じゃないか。

    まだ始まったばかりじゃんかよ。