• 9月5日

    夕方5時30分、人もまばらな閉館間際の横浜美術館。
    ここに来るのはもう何回目だろうか・・・
    自分の展覧会にこんなに来たのは初めてかもしれない。
    NHKの収録をドローイング部屋で行う。

    収録後、ひとり横浜線に乗って八王子方面へ帰る。

    制作に集中してた時、忙しいなんて感じたことはなかった。
    制作のじゃまにならないように、展覧会のセッティング後に取材をかためた。
    しかし、半年間にあれだけ描いた自分が、この2ヶ月ほとんど制作出来なかったではないか。
    気付くのが遅かったと悔しくなるが、これからの取材は断っていくことを小山さんに伝える。
    人と話すことの難しさは苦にはならないが、受け取られ方がどうしても気になってしまうし、言葉の生む誤解や伝わりにくい面を考えると頭が痛くなる。
    それは絵も同じではないか、と思ったりもするが、絵には自分という基準がある。

    明日起きる時間が決められている中でインスピレーションはやってはこない。
    トレーニングしないで考えてるだけじゃ、頭は感じても体が感じてくれなくなっていく。
    自由な時間に自由に描けないで一体自由な絵は出来るのか?
    こつこつと今までやってきたように、やっていかなきゃダメになるのは目にみえている。

    しかしながら、また会いたいインタヴュアーもいる。
    対談においては、なおさら、また会いたい人ばかりだ。
    偉そうだとは思うけど、本当に制作に集中している時にポコッと対談があるといい。
    それか、なきゃなくても全然かまやしないじゃないか。

    今まで以上のものを作っていきたければ、自分の時間を!
    自分の時間が持てなくなるってのは変じゃないか。
    俺はバカだったな~。

    好奇心と知識欲の実践、そして責任。
    本当に話せる場と、なけりゃなくてもいいもの。
    時間に追われるようになったら~~~~~~~おしまいだ。
    描けない時でも、画面をずっと見つめていられる時間がなくなったら本当におしまいだ。