• 11月12日

    思えば、描く事へ僕を駆りたてていたものは望郷心であり、それが幼年期への旅に繋がっていたのではないだろうか?

    身の回りに氾濫する母国語の誘惑。
    時間が許す気がして、とりとめもなく本屋で立ち読み。
    意味も無くチャンネルを回すTV。
    車に乗ってお気軽にお買い物。

    本当に読みたいもの、見たいもの、欲しいもの、知りたいこと。
    それがどんどんわからなくなっていくようだ。

    しかしこの環境に、得体の知れないものは無い。
    全てが一度は眼にしたものだ。

    流されていくようで、流されはしない。
    自ら流れていくんだ。
    自分の意志を何度も何度も確認して。
    一見気持ちよさそうに見えるあの岸辺も素通りして。

    カルシウムたっぷり取って、骨を強く!
    肉で考えず、骨で考える!
    頭で考えず、膝で考える!

    自分の弱さと浅さが再確認された夜。

    自己に矛盾や嫌悪を持たない人はいないだろう。
    でも、それを人間自体の弱さで語る事には反対だ。
    人間は弱いもの?当たり前だ!
    人間だもの?だからなんだってんだよ!

    人間は強いもの!野生の動物たちより強いものを持っている。
    人間だからこそ、できるものがあるじゃないか。

    久しぶりに過去十数年の日記を読み返す。
    日々の気持ちが驚くほど変わっていない。
    考える事になんの進歩も見当たらない。
    いつも落ち込んでは勇気をふりしぼるくり返し。
    ちょっと誉められては木に登り、勝手に傷ついてはスコンと落ちる。
    結局は自分自身という感情の一人芝居。
    でも、芝居じゃないぜ人生は!リハーサルと本番に区別はない。
    自分以上に憧れず、自分自身であれ。
    外を見ずに、もっと内を見ろ。
    まだまだ深いんじゃないかい?
    無限大の宇宙に浮かぶ、ちっぽけな自分の人生の小箱。
    その中には、自分が想像できること全て、そしてまたそれ以上のものが詰まっている。

    人前に立つ前に、自分自身と向き合うことを忘れかけてた。

    等身大の鏡に向かい、自分の嫌なところをしっかり探して。
    それから不敵に笑ういい顔しようじゃないか。
    善人面の下に潜む悪人面、それもすらも剥がして画面に向かわなきゃ。
    芝居じゃないんだ。今、生きているんだ。すべてひっくるめて生きているんだ。

    そして、初心忘るべからず。