思えば、描く事へ僕を駆りたてていたものは望郷心であり、それが幼年期への旅に繋がっていたのではないだろうか?
身の回りに氾濫する母国語の誘惑。
時間が許す気がして、とりとめもなく本屋で立ち読み。
意味も無くチャンネルを回すTV。
車に乗ってお気軽にお買い物。
本当に読みたいもの、見たいもの、欲しいもの、知りたいこと。
それがどんどんわからなくなっていくようだ。
しかしこの環境に、得体の知れないものは無い。
全てが一度は眼にしたものだ。
流されていくようで、流されはしない。
自ら流れていくんだ。
自分の意志を何度も何度も確認して。
一見気持ちよさそうに見えるあの岸辺も素通りして。
カルシウムたっぷり取って、骨を強く!
肉で考えず、骨で考える!
頭で考えず、膝で考える!
自分の弱さと浅さが再確認された夜。
自己に矛盾や嫌悪を持たない人はいないだろう。
でも、それを人間自体の弱さで語る事には反対だ。
人間は弱いもの?当たり前だ!
人間だもの?だからなんだってんだよ!
人間は強いもの!野生の動物たちより強いものを持っている。
人間だからこそ、できるものがあるじゃないか。
久しぶりに過去十数年の日記を読み返す。
日々の気持ちが驚くほど変わっていない。
考える事になんの進歩も見当たらない。
いつも落ち込んでは勇気をふりしぼるくり返し。
ちょっと誉められては木に登り、勝手に傷ついてはスコンと落ちる。
結局は自分自身という感情の一人芝居。
でも、芝居じゃないぜ人生は!リハーサルと本番に区別はない。
自分以上に憧れず、自分自身であれ。
外を見ずに、もっと内を見ろ。
まだまだ深いんじゃないかい?
無限大の宇宙に浮かぶ、ちっぽけな自分の人生の小箱。
その中には、自分が想像できること全て、そしてまたそれ以上のものが詰まっている。
人前に立つ前に、自分自身と向き合うことを忘れかけてた。
等身大の鏡に向かい、自分の嫌なところをしっかり探して。
それから不敵に笑ういい顔しようじゃないか。
善人面の下に潜む悪人面、それもすらも剥がして画面に向かわなきゃ。
芝居じゃないんだ。今、生きているんだ。すべてひっくるめて生きているんだ。
そして、初心忘るべからず。