このぶ厚い鉛色の雲のむこうには青空が広がっている。
そう信じたいんじゃなくて、それは確かな事なんだ。
ときおり切れ切れの雲の隙間に輝く、真っ白に明るい空。
けれど、そこに行く事自体が目的ではないんだ。
そこは、既にそこに在るし見えたりもしているから。
遠くを見つめることじゃなくて、現実と向き合うこと。
足元を見つめなおして、ちゃんと両の足で立っているか?
しっかりと地面を踏みしめているか?
へらへらと生きていないか?
いい気になっていやしないか?
楽に生きれる人生なんて、どこを探したってあるわけないぞ。
隣の芝生は青く見えるさ。だからって、全く同じように青くしたいか?
青くなって、どういうふうに満足するんだ?
自分を遠い世界に置き去りにするな。
両足をふんばって、自分の意志を確かめるぞ。
鏡を見るように、自分に向き合うんだ。
考える事は簡単なはず、深く考えることもない。
答えはいたって単純。雲の上の青空のように明快。
そういうことは、きっと誰だってわかってることだ。
今、ちゃんと自分に向かい合えるかなんだ。
悩んだり考え込んでも始まらないが、悩みがなければ始まらない。
・・・なんか変だな・・・
とにかく、雲の切れ間から見える世界はとてもきれいだ。
そして、それを見ている自分がいるから、そことここはつながっている。
ほら、今だってずっとむこうの地平線を見てみろよ。
ぎりぎりんとこで、黄昏ていく空もきれいだぞ。