• 3月11日

    このぶ厚い鉛色の雲のむこうには青空が広がっている。
    そう信じたいんじゃなくて、それは確かな事なんだ。
    ときおり切れ切れの雲の隙間に輝く、真っ白に明るい空。

    けれど、そこに行く事自体が目的ではないんだ。
    そこは、既にそこに在るし見えたりもしているから。

    遠くを見つめることじゃなくて、現実と向き合うこと。
    足元を見つめなおして、ちゃんと両の足で立っているか?
    しっかりと地面を踏みしめているか?

    へらへらと生きていないか?
    いい気になっていやしないか?

    楽に生きれる人生なんて、どこを探したってあるわけないぞ。
    隣の芝生は青く見えるさ。だからって、全く同じように青くしたいか?
    青くなって、どういうふうに満足するんだ?

    自分を遠い世界に置き去りにするな。
    両足をふんばって、自分の意志を確かめるぞ。

    鏡を見るように、自分に向き合うんだ。
    考える事は簡単なはず、深く考えることもない。
    答えはいたって単純。雲の上の青空のように明快。
    そういうことは、きっと誰だってわかってることだ。

    今、ちゃんと自分に向かい合えるかなんだ。

    悩んだり考え込んでも始まらないが、悩みがなければ始まらない。
    ・・・なんか変だな・・・

    とにかく、雲の切れ間から見える世界はとてもきれいだ。
    そして、それを見ている自分がいるから、そことここはつながっている。

    ほら、今だってずっとむこうの地平線を見てみろよ。
    ぎりぎりんとこで、黄昏ていく空もきれいだぞ。